慈眼寺

慈眼寺は藤沢市渡内にあります。
村岡消防出張所の東側にあります。
曹洞宗の寺院として、1533年頃に開創されました。

立派な本殿、山門、梵鐘があります。(誤ってデータを消してしまいました)
藤沢市重要文化財の秘仏・十一面観世音菩薩立像と本堂の梵鐘があり、
また、寄り木は藤沢市天然記念物になっています。


 藤沢市指定重要文化財
 秘仏十一面観音像と梵鐘
この寺院は、無量山慈眼寺と号し曹洞宗に属す。
天文二年(一五三三)の頃、玉縄三大城主北条左衛門大夫編成が
開創し中興開山は韓嶺和尚と伝えられる。
山門前の階段脇に文政四年(一八二一)に建立された鎌倉札所
第三十三番の石柱がある。
歌舞伎「小栗判官」で知られる常陸国真壁郡小栗城主満重と照
手姫を蘇生させたという観音縁起の版木(寛政六年・一七九四)
が存在する。
十一面観音立像は、等身大(一七八、五センチ)の本格的造像で
寄木造、玉眼を嵌し頭体とも四材矧ぎを基本に造られている。
太づくりな肉取りをみせる量感のある体部や、良く引き締まっ
た面相など鎌倉地方の中世像らしい作域を示すが、やや硬く形
式化した衣文表現などに多少時代の下降を思わせ、造立時期は
十四世紀後半と思われる。
平成三年、藤沢市により解体修復が行われ往古の優れた尊容に
復されたが、この折像内より紙片が発見され、これにより天正
十一年(一五八三)に玉縄6代城主北条氏勝の弟直重が祖母の
菩提のために鎌倉仏師快円に修復を依頼したことやこの寺院が
慈眼山観福禅寺と号し北鎌倉の円覚寺の塔中天池庵に関係があ
ったことなど、貴重な事実が新たに確認された。
本堂正面右手に吊るされている梵鐘は陰刻銘によれば当初、上州
藤岡(群馬県藤岡市)の住人が「現生安穏、後生善処」を祈願
して梵鐘を鋳造し江島寺に寄進し、明和八年(一七七一)に藤
沢宿大鋸の住人が江島寺よりこの梵鐘を買受け、慈眼寺に寄進
したことを知ることができる。
銅造で総高一〇〇、五センチ、口径五四センチとやや小振りでは
あるが、寛永六年(一六二九)の鋳造で旧江島寺梵鐘であるこ
となど往時を知ることができる。
  
    秘仏十一面観音立像 平成元年一二月一五日指定
    旧江島寺梵鐘      平成一〇年二月一二日指定
                            藤沢市教育委員会